ボトックス注射は笑顔がひきつる?表情が不自然になる原因や失敗しないためのポイントを美容皮膚科医が解説!

2024/08/01

ボトックス注射は、皮膚にメスを入れることなく、表情じわやエラ張りを改善できる美容施術です。施術中の痛みは軽く、「ダウンタイムが短い」「副作用が起こりにくい」といった特長もあるので、気軽に「まずは受けてみたい」と考えている方も多いでしょう。

リスクが少なく魅力的な施術ですが、ボトックス注射はあくまでも医療行為であり、クリニックなどの医療機関でしか取り扱えません。なぜなら、施術箇所や製剤の注入量を誤ってしまった場合、さまざまな副作用が現れる可能性があるからです。日常生活には支障がないものの、想定していた結果とは少し違った効果が表れることもあり得ます。その中の一つが、笑顔のひきつりです。

この記事では、ボトックス注射で笑顔がひきつってしまう原因や失敗しないためのポイントについて解説します。
ボトックス注射を検討中の方はぜひご一読ください。

ボトックス注射の効果とは?

ボトックス注射は、神経の末端から出る信号を抑制する「ボツリヌストキシン」という製剤を体内に入れる美容施術です。

ボツリヌストキシンの作用によって、注射した箇所の筋肉が動きにくくなることで、表情筋を動かす際にできる表情じわなどを改善する効果が期待できます。注射のみで目に見える変化が期待できるため、美容医療が初めてという方でも、比較的挑戦しやすい施術と言えるでしょう。

ボトックス注射後に笑顔がひきつる原因は?

「ボトックス注射を打つと必ず笑顔がひきつる」という訳ではありません。適切な量のボツリヌストキシン製剤を、適切な場所に打っていれば、想定外のトラブルが起こることは基本的にないと言えるでしょう。ボトックス注射で引きつったような笑顔になってしまうのは、意図しないボツリヌストキシン製剤の作用が起こってしまうからです。

もし施術箇所が不適切だったり、正しいボトックス注射の打ち方ができていなかったりすると、目的の筋肉以外に効果が表れてしまうかもしれません。表情を変えるために力を入れても、動くべき表情筋が動かず、ひきつったような顔に見えてしまうでしょう。特に笑った際は、動く部分と動かない部分の差が目立ちやすい傾向にあり、これこそが笑顔がひきつっているように見える理由です。

また適量より多いボツリヌストキシン製剤を注入してしまったり、適切な間隔を空けずに施術を受けてしまったりすると、効き目が必要以上に強くなってしまう可能性もあります。通常通りに動かせる他の筋肉の中で、あからさまにその筋肉の動きだけが鈍くなくなることで、施術箇所が固定されたような見え方になります。

この状態で表情を変えようとすると、通常通り動く筋肉の方に向かって皮膚が引っ張られ、肌が不自然にひきつれたり、こわばったりしているように見えるでしょう。症状が強い場合は、笑っていること自体が伝わらない、表情筋が動かない状態「表情喪失」になる可能性もあります。

【部位別】ボトックス注射後に笑顔が引きつるケース

ここで、笑顔のひきつりなどの不自然な表情につながりやすいボトックス注射の施術箇所として、代表的な5つのパーツをご紹介します。

・眉間
・目尻

・口周り
・エラ

それぞれの箇所のボトックス注射の効果が表れる仕組みと、笑顔のひきつりにつながってしまう理由を、詳しく解説します。

眉間

眉間の表情じわは、左右の眉頭に沿った部分にある皺眉筋(すうびきん)が中央に寄ることで現れます。怒ったりしかめっ面をしたりした際にできやすく、人によっては眉間に力を入れた状態が癖となり、常時複数の線が現れているような状態の方もいるでしょう。

ボトックス注射を正しい箇所に適量打てば、筋肉が原因で生じる眉間のしわの改善が期待できます。表情じわが入ったままの状態が続くと現れる、皮膚組織に刻み込まれたような深いしわの予防にもつながるはずです。

皺眉筋は、眉を上に引き上げる役割を持つ前頭筋(ぜんとうきん)と近接した位置にある筋肉です。そのためまれなケースですが、眉間に入れたボツリヌストキシン製剤が上の方に流れてしまうと、上部にある前頭筋に成分が効き、まぶたが重く感じることがあります。また反対に下方向へ拡散すると、今度は眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という目を開くための筋肉に効いてしまい、まぶたを持ち上げづらくなる可能性があります。

目が開きづらい状態で無理に笑おうとすると、眉尻だけがいつも通り引きあがり、作り笑いのような不自然な印象になってしまうでしょう。

目尻

ボトックス注射を目尻に打つと、目のまばたきをする役割を持つ眼輪筋の力が抑えられ、目尻の笑いじわの改善が期待できます。

しかし眼輪筋への効き目が強すぎた場合も、眉間への施術と同様に、目が動きづらくなる影響が生じます。目が笑っていないように見える他、場合によってはドライアイなどの症状につながることも。またボツリヌストキシン製剤の作用が頬の筋肉にまで及んだ場合は、笑った際に頬の筋肉が上がりづらくなり、笑顔が不自然に見えるでしょう。

額の表情じわは、眉間への施術の解説でも登場した、眉を上に引き上げる役割を持つ前頭筋の動きによって現れます。ボトックス注射で筋肉の動きを抑制することで、皮膚にしわが寄らないようにする効果が期待できます。広い範囲に生じるしわなので、うまくいけば一気に若返ったような変化を実感できるでしょう。

ボトックス注射でアプローチできる額のしわは、一般的におでこの上の方、髪の生え際から2/3程度までの範囲です。眉に近い位置へ、額のしわを改善できる量のボツリヌストキシン製剤を注入すると、眉間や目尻に注入しすぎた際と同じような副作用が生じ、笑顔をひきつらせてしまったり、まぶたが重くなり目が開けづらくなる可能性があります。

また額と眉間へ同時にボトックス注射を打った際に起こる失敗として、眉毛を動かす複数の筋肉のバランスが崩れて、眉山から眉尻だけが不自然に吊り上がる「眉毛外側過度挙上(スポックブロー)」の状態になることがあります。こうなってしまうと笑顔がひきつるどころか、終始怒っているような印象にもなりかねません。

口周り

口角の引き上げや、上唇のしわ、顎の梅干しじわといった口元のしわを改善する目的で、口の左右や周囲にボトックス注射を打つこともあります。

口角が下がってしまう原因と言われている「口角下制筋(こうかくかせいきん)」の動きを抑制すると、口の端を下に引っ張る力が弱まり、口角が自然とキュっと上がった状態になるでしょう。また口の周りの「口輪筋(こうりんきん)」に打つと、過剰な収縮が抑えられ、上唇のしわや梅干しじわの改善が期待できます。

これらの目的で打ったボトックス注射が効きすぎてしまうと、笑った際の唇の動きに違和感が出たり、口が閉じづらくなったりしてしまいます。左右の口角の上がり方にばらつきがある場合も、笑った際に顔の片側だけが固定されたような状態となり、ひきつった不自然な表情に見えてしまうでしょう。

エラ

顎を動かす「咬筋(こうきん)」を収縮させる目的で打った、エラ部分へのボトックス注射が、その他の筋肉に作用してしまう可能性もあります。

エラ張り改善のためのボトックス注射では、咬筋の動きを抑制することで筋肉を痩せさせ、ボリュームを落とすことを目指します。そのため一般的に、表情じわの改善よりも多くのボツリヌストキシン製剤を注入する必要があり、その分作用も強いです。

これが口輪筋や頬を動かす筋肉にまで作用してしまうと、笑ったときにその部分の筋肉だけ顕著に動かなくなり、パーツや皮膚の形が不自然にゆがんでしまいます。エラボトックスでも、ひきつったような笑顔になってしまう可能性があるのです。

ボトックス注射後に笑顔がひきつってしまった時の対処法は?

ボトックスで笑顔がひきつった場合の対処法は、主に2つです。

・ボトックスの効果が切れるまで待つ
・効果を抑制する薬剤を注入する

ボトックスの効果は永久的ではありません。

そのため、可能であればボトックスの効果が切れるまで待つといいでしょう。

注入量や筋肉の状態によって効果の持続期間は異なりますが、一般的に3か月~6か月程度で効果は薄まります。

また、ボトックスの効果を抑制する薬剤(アセチルコリン塩化剤)を注入するのもひとつです。

ただし、ボトックスの効果がなくなるのに加えて薬剤を注入する費用もかかるため、症状が重くないのであれば効果が切れるまで待つことをおすすめします。

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ボトックス注射の笑顔がひきつる以外の失敗例

ボトックス注射を打って、笑顔のひきつりをはじめとした表情の不自然さ以外の、意図しない変化に悩まされるケースもあります。施術の結果に満足できず「失敗した」と感じてしまうでしょう。

例えば口角やエラにボトックス注射を打ちすぎた場合、しゃべりづらくなったり、ものをかむ力が弱くなったりする可能性があります。特に硬い食べ物をかむ際などに違和感を覚えることが多いです。

また皮膚の弾力が少ない方がエラなどにボトックス注射を打った場合、筋肉のボリュームが減ったことで皮膚が余り、たるんでしまうこともあります。

なおボトックス注射の持続期間は、一般的に3〜6カ月程度です。そのためボトックス注射を打つことで笑顔がひきつったり、その他のデメリットが生じたりしても、ほとんどの場合は時間が経てば自然に症状が改善して、元の状態へ戻っていきます。とはいえ不自然な状態のまま過ごす期間が発生することには変わりないため、できる限り失敗は避けたいものです。

ボトックス注射で失敗しないためのポイントは?

ボトックス注射での失敗を避けるためのコツとして、以下の2点を押さえておきましょう。

・信頼できるクリニックを選ぶ
・術後は適切な過ごし方をする

それぞれ詳しく解説します。

ボトックス注射の施術実績の豊富な医師を選ぶ

ボトックス注射は筋肉の動きを抑制する施術のため、術後は施術箇所と他の筋肉のバランスが変わります。施術者はこれを考慮した上で、施術箇所の状態や施術を受ける方の理想に合わせ、注入量などを決定しなければなりません。また仕上がりのデザインにこだわるには、筋肉の構造の他、神経のつながりや脂肪の付き方についても熟知している必要があります。

このことからボトックス注射の失敗を防ぎ、自然な仕上がりを目指すには、豊富な知識と実績を持つ医師に施術を依頼するべきと言えます。もちろん効果の表れ方に個人差はありますが、正しい方法で施術を行えば、少なくとも本来起こらないはずの副作用が起きてしまうようなことは回避できるはずです。

多くのクリニックでは、医師の実績や経歴をホームページなどで公開しています。症例や医師の方針などについて、SNSなどを利用して情報発信しているところも多いので、施術を検討する際はぜひ確認しておきましょう。日本美容外科学会や日本形成外科学会などの、権威ある団体に所属している医師も、信頼性が高いと考えられます。

カウンセリングに力を入れているクリニックを選ぶ

適切な施術を受けるには、カウンセリングの内容も重要です。施術を受ける方がどのような効果を期待しているのか、じっくりと話を聞いてくれるクリニックを選びましょう。

ボトックス注射において、各クリニックの定める目的別の注入量や注入箇所は、あくまでも目安の数字です。実際の施術内容を決める際には、目指す仕上がりや施術箇所の状態に応じて、適切となるよう臨機応変に調整する必要があります。医師が思う一般的な改善の程度と、施術を受ける方が希望する変化の程度にギャップが生じているケースもあるでしょう。このギャップが埋められないまま施術内容が決められてしまった場合、「せっかく受けたのに効果がなかった」「効きすぎて不自然になった」といった状態にもなりかねません。

併用が禁忌とされている薬品もあるため、普段飲んでいる薬や抱えている疾患、体質の傾向を医師が把握しておくことも大切です。確認を怠ると、起こらなくても良い副作用が発症してしまう可能性があります。

施術を決断する際は、カウンセリングで得た情報を元に個別の施術計画を立ててくれるような、信頼のおけるクリニックを選ぶようにしてください。可能な限り失敗を避け、理想により近い仕上がりを実現できるでしょう。

信頼できる製剤を使用しているクリニックを選ぶ

施術を受けるクリニックを検討する際、アクセスの良さや料金の安さを重視する方は多いと思いますが、使用する製剤にも注目してみてください。

ボトックス注射で使用するボツリヌストキシン製剤は、世界中のメーカーからさまざまなものが製造販売されています。製品によって配合内容や管理の方法が違うため、検討しているクリニックで取り扱っている製剤が「どのような企業が作っている、どのようなグレードのもの」なのか、事前のカウンセリングの段階で確認しておきましょう。

中でもおすすめなのは、アメリカのアラガン社が製造販売する「BOTOX VISTA(ボトックス・ビスタ)®」です。厚生労働省が唯一承認している製剤で、日本だけではなくアメリカやヨーロッパ諸国などの世界各国でも承認されており、徹底した品質管理が行われています。他社の一般的なボツリヌストキシン製剤と比べると安全性が高いと言える他、効果が長持ちしやすいという特長もあります。

術後の過ごし方に配慮する

ボトックス注射の術後の制限事項は特にありません。しかしトラブルが起こる可能性を極力下げ、得られる効果に悪影響を与えないためには、施術を受けた後の過ごし方にも気を付けましょう。

まず体温が上がるような行動はなるべく避けてください。ボツリヌストキシンは熱に弱いという特徴があり、施術の効果が弱まってしまう可能性があります。そのため温泉やサウナ、岩盤浴などは控えておいた方が無難です。同様に激しい運動も、体を温めてしまうため、控えることをおすすめします。

またアルコールは禁止ではありませんが、過度な飲酒は内出血を起こす可能性があります。健康のためにも適量を守りましょう。

その他マッサージやエステなどにも注意が必要です。施術箇所を圧迫すると、こちらも内出血のリスクがあります。また注入した製剤が周辺の組織に広がり、目的の筋肉以外の動きを抑制してしまう可能性もあります。セルフケアもしばらくは控えておいた方が良いでしょう。

ATELIER Medical Clinic(アトリエメディカルクリニック)ではご自身の状態を十分にカウンセリングした上で、最適な治療法をご提案しますので、まずは無料カウンセリングからご相談下さい。

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ATELIER Medical Clinic(アトリエメディカルクリニック)のボトックス注射とは?

当院ではお肌の治療に関して、有効と証明されているものはほぼすべて網羅しております。
お肌にお悩みの患者様にも多数ご来院いただき高い評価を得ております。

ATELIER Medical Clinic(アトリエメディカルクリニック)では、実績を積んだ美容皮膚科医が患者様のご状況に対して丁寧なカウンセリングを通して、お客様の症状にあわせたボトックス注射を使用量も打ち放題で行います。アフターフォローも無料のため、しっかりと効果を実感しやすいと好評です。

肌治療だけでなく、日々のスキンケア、内服などトータル的にサポートさせて頂きます。

ボトックス

    当院では、ボトックスの使用量の制限なしで、期間内であれば無料で再注入可能です。必要な単位数が決まっていないため、患者様の状態を拝見し必要量を注入していきます。

    また、もしもボトックスの効果が出なかった場合や弱い場合は、期間内であれば無料で再注入ができ、アフターフォローも完備しております。

    筋肉に注射するボトックス注射は、表情ジワの改善、エラを小さくする事や、肩こりなど改善できる治療です。

    ボトックスの製剤は、過剰な筋肉の働きを弱める事ができ、一般的にボトックス注射は、施術後3〜6ヵ月程度の持続時間があります。表情ジワが刻まれる前に打つ事で、シワの予防も可能です。

    ATELIER Medical Clinic(アトリエメディカルクリニック)のボトックス注射の症例写真

    ●エラボトックス注射の症例写真

    過度に発達したエラにボトックス注射を行った結果、エラの筋肉が縮小し小顔に。術後2〜3週間程度でエラの張りが解消される事がほとんどです。

    エラボトックス

    施術内容
    発達した咬筋にボトックスを注射し、エラの張りを解消する施術。
    費用
    38,300~54,780/回
    副作用・リスク
    腫れ・むくみ・内出血 · かゆみ · アレルギー · 頭痛 · 噛む力の低下 · 左右非対称

    ●ボトックス注射の症例写真

    表情によってできるシワを予防・改善し、シワが刻まれにくく、今あるシワを伸ばして滑らかな肌になりました。

    ボトックス注射

    施術内容
    ボツリヌス菌から分離したボツリヌストキシンというタンパク質を用いて、筋肉の収縮を抑制させ、エラの張りや表情筋によるシワを改善させる治療法
    費用

    眉間
    19,000~27,280/回


    22,900~32,780/回

    副作用・リスク
    腫れ・むくみ・内出血 · かゆみ · アレルギー · 頭痛 · 噛む力の低下 · 左右非対称

    まとめ

    本記事では、ボトックス注射で笑顔がひきつってしまう原因や失敗しないためのポイントについて解説しました。

    ボトックス注射は、筋肉の動きを抑制することで、表情じわの改善や小顔効果が期待できる施術です。一方で意図しない箇所に効いたり、過度に効果が表れたりした場合は、笑顔のひきつりをはじめとしたさまざまなトラブルが生じる可能性があります。

    基本的にボトックス注射は副作用などが起きづらい施術ではありますが、少しでもリスクを下げるためには、信頼できるクリニックへ依頼し、術後の過ごし方にも配慮するのがおすすめです。

    WEB予約から無料カウンセリングは24時間受付中


    ATELIER Medical Clinic(アトリエメディカルクリニック)は、ボトックス注射治療を得意とするクリニックです。美容皮膚科のドクターが厚生労働省に認可されている薬剤や手法のみを患者様にとって最適な形で組み合わせ、美容治療を行うため、美容皮膚科が初めての方も安心して受診して頂けます。

    日々のスキンケア、内服などトータル的にサポートさせて頂きます。

    無料のカウンセリングも実施しておりますので、まずはお気軽にご相談下さい。

    記事の監修者

    金 上浩

    金 上浩
    院長

    常に患者様に寄り添いながら、最短で”治療のゴール”に繋げれる『本当に必要な治療』のみご提案させていただいております。
    身体の内側からのサポートもさせて頂いております。美容も、健康も両方叶えるアトリエクリニックは、技量が高い肌のプロフェッショナルのみ在籍しております。
    少しでも気になる事があれば、無料カウンセリングにてご相談ください。

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