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気づいたらいつの間にかできている目の下のシミ。 対策を取っていてもなかなか良くならないと焦りを感じていませんか。 実はその方法自体が間違っているかもしれません。
本記事では、目の下のシミの原因・消し方・予防法について解説します。 目の下のシミに悩んでいる方はぜひご一読ください。
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シミは紫外線などの影響により、メラニン色素が肌に蓄積することで起こります。特に目の下は、紫外線が当たりやすいエリアなので、さまざまな種類のシミができやすくなります。目の下にできるシミにはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれの特徴を解説するので、ご自身がどのシミの種類に当てはまるかチェックしましょう。
「老人性色素斑」とは、一般的によく見られるシミのことです。性別に関係なく、30代以降に発症します。明るい茶色から茶褐色をしていて、紫外線が当たった部位にできます。
原因は紫外線や老化と考えられていますが、太ももなどのあまり日光にさらされない箇所にも出現することがあり、詳しい理由はわかっていません。シミの形は円形をしたものが多く、大きさにばらつきがあります。
30代より若い10代、あるいはそれ以前に現れた場合は「扁平母斑」という茶あざとの判別が必要です。また30代以降に出現した目の下のシミでも、色の濃さによっては皮膚の悪性疾患ではないか、鑑別を要するケースもあります。
老人性色素斑は、皮膚の比較的浅い「表皮」に色素沈着が生じたもので、治療に対する反応の良いタイプです。
「雀卵斑」は「じゃくらんはん」と読みます。いわゆる、そばかすです。3~5歳頃の幼少期ごろに発症し、目元や鼻を中心に5mm以下の薄茶色の小さなシミが左右対称に広がります。成長とともにそばかすの色が濃くなり、思春期に色の濃さはピークとなります。成人すると、シミの色が次第に薄くなるのが特徴です。
正確な原因は不明ですが遺伝的な傾向があり、体質的なメラノサイト(色素細胞)の異常と考えられています。紫外線に当たることや、妊娠によって悪化するケースもあり、ホルモンの関与もありそうです。
雀卵斑がある場合は体質的にメラノサイトが多いため、治療効果が持続しにくく再発しやすいと考えるケースもありますが、IPL光療法など反応の良い治療法もあります。色素沈着の色が濃ければ、レーザー治療により改善を図ることができるため、美容皮膚科に相談してみることをおすすめします。
「肝斑(かんぱん)」は、30代以降にできるシミです。正確な原因は不明ですが、紫外線・皮膚への刺激・ストレス・ホルモンなどが悪化のきっかけになります。
特にピルの内服・妊娠中・更年期など、ホルモンバランスに変化があったときに発症することも多く、肝斑の原因を女性ホルモンの乱れと考える医師もいます。肝斑は女性に多く認められますが、稀に男性でも出現します。
肝斑は目の下以外にも、頬・おでこ・口の周りに出現します。左右対称に出やすいのも、特徴です。トラネキサム酸の内服治療と美容治療を組み合わせることで、肌のトーンをコントロールできます。
「後天性真皮メラノサイトーシス」は、ADM(Acquired Dermal Melanocytosisの頭文字)と呼ばれることもあります。20歳以降に、目の下に左右対称に現れます。ADMは、通常のシミやソバカスと異なる色が特徴です。青っぽい薄紫からグレーの色調をしています。正確な原因は不明です。
典型的なADMはシミの色調以外に、シミが現れる年齢で見分けることができます。例えば、そばかすは3~5歳ごろの幼少期、老人性色素斑・肝斑は30代頃に現れるため、20歳ごろに現れたシミはADMの可能性が高いと考えられるのです。
またADMの出やすい部位が肝斑と類似しているため、混同されるケースもありますが発症年齢とシミの色調で判断することが可能です。ただし、20代からピルを内服しているケースなどでは、肝斑とADMが混在している場合もあります。肝斑とADMは治療方針が全く異なるため、自己判断はおすすめできません。皮膚科専門医の診察が必要です。
目の下にできるADMは帯状の形が多いですが、頬の外側や小鼻ではポツポツとした斑状をしています。老人性色素斑や雀卵斑は皮膚の浅い「表皮」に色素沈着が起こりますが、ADMでは表皮より深い層の「真皮」にメラニンや色素細胞が見られます。
このため「青あざ(太田母斑)」と間違われやすいシミです。太田母斑は片側だけにシミが出現することが多く、ADMは左右対称に見られるため、色素が沈着する層が似ていても異なる病態と考えられます。
ADMの色素は真皮に存在するため、表皮に存在するシミと比較すると、治療回数を重ねる必要があります。しかし一度真皮層のメラニンや色素細胞を除去すると、再発する可能性は低く、治療満足度が高いタイプです。
「脂漏性角化症」は、「老人性イボ」とも呼ばれます。老人性色素斑のような茶色い色合いの膨らみが特徴です。老人性色素斑が加齢とともに脂漏性角化症に移行することもあります。目の下以外に、こめかみ・フェイスラインが好発部位です。
イボの色が濃い場合は、ホクロとの鑑別が必要です。また脂漏性角化症と似た症状に、ウイルス性の「扁平疣贅(ゆうぜい)」があります。触って刺激すると悪化したり、広がることがあります。扁平疣贅は顔の中ではおでこにできやすく、平たい表面に小さなぶつぶつがたくさんできるのが特徴です。
扁平成疣贅の治療には「ヨクイニン」という、肌のターンオーバーを正常化する漢方薬が保険適用で処方されます。シミに似たイボですが、脂漏性角化症と見分けがつきにくいため、皮膚科の受診がおすすめです。
人目につきやすい目の下になぜシミはできるのでしょうか。ここでは4つの主な原因を解説します。
シミの原因についての理解を深め、今以上にシミを増やさないよう知識を役立てていきましょう。
肌が紫外線に長時間さらされてしまうと「メラニン色素」と呼ばれるシミのもとが作られ肌に蓄積し、シミになります。 適度な紫外線であれば構いませんが、浴び過ぎてしまうと問題です。外出する機会が多いなど、日頃から紫外線に当たる可能性が高い方は紫外線対策を継続して行う必要があります。
生活習慣の乱れは活性酸素を作り出したり、肌のバリア機能の働きを低下させたりするので、シミにつながりやすくなります。 活性酸素とは、ストレスなどが原因で作られる物質です。メラニン色素を黒色に酸化させるので、シミにつながります。また肌のバリア機能が低下することで、外部刺激を受けやすくなり、シミの発生をより早めてしまいます。
加齢によって肌のターンオーバーサイクルが遅くなるので、メラニン色素が蓄積しやすくなり「シミ」につながります。
例えば、20代のターンオーバーサイクルはおよそ28日ですが、40代ではおよそ55日、60代以降はおよそ100日かかります。60代は20代の3倍以上の期間がないと、新しい肌へ生まれ変われないことがわかるのではないでしょうか。
若い年代でできていないシミも、数年もしくは10年先にじわじわと発生する可能性があります。シミがないからまだ大丈夫と安心せずに、シミができないような対策を継続して行うことが大切です。
避妊薬のピルの内服や妊娠しているなどのホルモンバランスの乱れによって、肝斑ができやすくなります。また、閉経すると肝斑が薄くなることから「女性ホルモン」の分泌量が肝斑の発生に関係していることがわかっています。
意識してはいても、加齢には逆らえません。気づいたらできていた、目の下のシミを発見することもあります。シミを見つけたら、すぐに対策をしましょう。シミを濃くしないため、増やさないためです。
今日からできる、4つの対策を紹介します。
どれも、簡単に取り組める対策です。日々の生活の中で意識し、シミ対策に役立てていただければ幸いです。
目の下のシミ対策の1つ目は「メイク落とし・洗顔を丁寧に行うこと」です。
キレイに見せた後のアイメイクは、正しい方法でクレンジングしましょう。リキッドタイプのリムーバーは、コットンに染み込ませて1分間ほど目元にのせます。メイクや油分が浮き上がってきたら、優しくコットンで拭き取るのがポイントです。
クリームやジェルのメイク落としは指にのせて、優しく目元につけてメイクとなじませます。クリームやジェルの量が少なすぎると、顔の皮膚と指の間に摩擦が起きてしまうため、スルスルと滑る量をつけてメイクを落とすのがポイントです。
洗顔も固形石けん・クリーム・ジェルなどタイプが様々ありますが、ゴシゴシこすらず優しく洗います。泡立つタイプの洗顔料は泡立て用ネットを活用したり、手のひらで少量のお湯となじませて柔らかく泡立ててから肌にのせます。目元を洗うときは、ゆっくり優しくがポイントです。
目の下のシミ対策は、アイクリームの塗布でしっかりと保湿しましょう。
特にビタミンCが含有されたクリームは、メラニン色素を抑える効果が期待できます。毎日継続して続けることが、シミ改善につながるでしょう。また、くすみが気になる方は、ビタミンEが含有されたものを選ぶことをおすすめします。
ビタミンEには血流の滞りを改善する効果が期待できます。アイクリーム用品を選ぶときは、ご自身の肌状態に合わせた成分を選んでみましょう。
就寝前のスマートフォンの使用を控えたり、目を休ませる時間帯を確保したりすると良いでしょう。
食事やトイレに行くなど、日常生活で必要な行為でも目を使いますが、最近はビジネスでパソコンやスマートフォンを見る機会が増えています。そのため、気づかないうちに目元の筋肉を疲れさせてしまい、血液が滞り「シミ」につながってしまいます。
目を休ませる時間を意識して作れば、シミの改善につながるだけでなく、睡眠不足が解消されるかもしれません。
目立つ目の下のシミを、早急に綺麗にしたいことがあるかもしれません。
その場合には、メイク方法を見直してみるのもおすすめです。目の下のシミは、コンシーラーを使って隠す方法があります。ご自身の肌色よりもワントーン明るいカラーを選択すれば、シミが目立ちにくくなり、ナチュラルな仕上がりになるでしょう。
オレンジ系統のコンシーラーは茶クマ隠しにおすすめです。シミのない部分になじむようにぼかして使うと自然な印象が作れます。
目の下の皮膚は薄く、刺激に弱いこともありシミができやすい部位です。美容皮膚科でシミ治療を行なった後も、目の下のシミを増やさないよう心がけることが役立ちます。以下の方法は、シミ治療を行っていなくても、役立つ内容ですのでシミ治療に備えている方も参考になさってください。
上記の、3つのポイントをお伝えします。
目の下のシミ対策の最重要なポイントが、紫外線対策です。シミは紫外線の強い影響から肌を守ろうとして、メラトニン細胞がメラニンを生成し、メラニンが表皮内に蓄積することで生じます。
メラトニン細胞が過剰にメラニンを生成しなくて済むよう、肌を覆うなど直射日光にさらす機会を減らしましょう。UVカットの日焼けどめクリームや、UVローションを活用するのも手です。
20代ではおよそ28日のサイクルで、表皮が変わります。メラノサイト細胞や生成されたメラニンは、基底層以上の表皮の層に存在します。表皮のターンオーバーとともに、メラニンも垢として排出されます。
ところがライフサイクルが乱れると、ターンオーバーのサイクルも乱れます。新陳代謝が停滞しメラニンが排出されなくなると、色素沈着として表皮内にメラニンが滞積しシミになるのです。
睡眠不足やストレスはライフサイクルの乱れ、ひいては肌のターンオーバーの乱れにつながります。美白化粧品もシミ対策にはなりますが、体のサイクルを整えることで、内側からシミを作らない身体に整えていきたいですね。
スマートフォンなどの電子機器を見る時間を制限したり、浴槽につかって身体を温めて睡眠の質を改善することもできます。毎日、6~8時間の睡眠時間を確保するのも役立ちます。ストレスを溜め込まないようにも、心がけると良いでしょう。
健康的な食生活も、肌のターンオーバーを整えるのと同様に身体の内側からできるシミ対策です。 以下の表を参考に、自分にあった食材を食生活に取り入れるよう意識します。
果物や加熱調理しなくても食べられる食材もあれば、牛乳などの手軽な食品もあります。まずは食べ慣れた食材を積極的に取り入れて、健康的な食生活を維持し、シミ対策にも役立てていきましょう。
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記事の監修者
西川 史子
医師
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